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精密治療
細部まではっきりと見えることが大前提と考えます
肉眼と拡大鏡(倍率8倍)との視野の違い
右:8倍の拡大鏡視野の場合
左:肉眼で見た場合
人間の目の空間分解能は0.15mm(150ミクロン)〜0.2mm(200ミクロン)が限界ですが、8倍の拡大鏡視野では0.02mm(20ミクロン)〜0.025mm(25ミクロン)まで見分けられるようになります。
精密治療・精密メンテナンス・デリケートメンテナンス®にはこのレベルの細密さが必要です。
光があって初めてものは見える
ユニットライトとLEDライトの明るさの違い
左:15,000luxのユニットライト
右:80,000luxのLEDライト
拡大鏡は倍率が上がるにつれてレンズを通した光は減少し暗くなります。
どんなに高倍率でも専用ライトなしの拡大鏡のみの状態ではその効果は激減してしまいます。それをおぎなう十分な照明があって初めて拡大鏡は性能を発揮します。
『見えていること=はっきり見えていること』
極めて狭いわずかな隙間を通して見るときほど、ライトと拡大鏡レンズの光軸の違いが大きく影響し、少しの角度の違いで見たい部分に十分に光が届かなくなります。
つまり『見えていること=はっきり見えていること』を実現するためには、ライトが高照度であることと同時に拡大鏡レンズと完全同軸であることが必要なのです。
(比較画像の見え方はモニターにより大きく変化しますのであくまでイメージとしてご覧下さい)
歯科医師、歯科衛生士が同じ高倍率拡大鏡を使うことの大切さ
歯周治療
例えば、歯周病治療で、マイクロスコープ、あるいはLEDライト付10倍拡大鏡使用の歯科医師が確認して「この部位の歯石を除去してください」と歯科衛生士に指示した時に、同等以上の倍率と明るさを持った拡大鏡をつけていないと、その歯石を視野に捉えることすら不可能かも知れません。
ユニットライト下の肉眼ではその存在の気配すら判らず、同軸ライトを持たない拡大鏡では10倍の拡大視野でも歯石があることがおぼろげながらに判っても自信をもって除去できないということが多々あるからです。
特に深い歯周ポケット内でもかなりの部分を明視化で処置出来ることは手術用顕微鏡あるいは同軸ライト付10倍拡大鏡の大きなメリットで、これらにより歯肉を切開剥離して行う歯周外科処置を大幅に減らすことが可能となりました。
精密メンテナンス
虫歯やインプラントなどの治療においても歯科医師が精密治療したところを同じレベルで精密メンテナンスするためには歯科衛生士が同等以上の拡大鏡を使用していることが大切なポイントです。
デリケートメンテナンス®
治療終了後の定期的なメンテナンスでは歯面や歯周組織、かぶせ物などの補綴物に余分な負担を掛けずにメンテナンスすることがとても重要です。
西川歯科ではマイクロスコープまたは顕微鏡レベルの拡大鏡にて明視下で確認しながらの精密メンテナンスをデリケートメンテナンス®としております。
肉眼はもちろん低倍率拡大視野下のメンテナンスとの差は5年後、10年後にはっきりとでてくるはずです。
精密治療・「デリケートメンテナンス®」のメリット
1.虫歯や歯石の除去精度・除去率が向上します
拡大された明視野のもと、肉眼では判別不可能な虫歯や歯石も正確に取り除くことが可能です。
上顎の奥歯の後ろ側などミラーを使わないと見えないところでは視軸と光軸が一致しないユニットライトでは全くの光量不足となります。そのような部分でもマイクロスコープや完全な同軸にセットされたLEDライト付拡大鏡なら明視下で虫歯や歯石を捉えることができます。
2.虫歯の再発を抑えることができます
マイクロスコープやLEDライト付10倍拡大鏡を使った精密治療では、ぴったりの詰め物、あるいは被せ物の高い適合精度により、歯と詰め物や被せ物の間に汚れがたまりにくくなります。その結果、虫歯はもちろん詰め物や被せ物が原因の歯周病の再発を抑えられます。
3.痛みの少ない治療ができます
痛みがない、あるいは、多少、しみる程度の虫歯では、かなり歯の神経に接近した大きな虫歯でも、多くの場合、虫歯の部分のみを削る限り痛みはありません。
マイクロスコープあるいはLEDライト付10倍拡大鏡ではっきりと虫歯の部分と健康な歯の違いと境界部分を微細な部分まで見極めながら除去していくことで、麻酔なしでも取り残しのない虫歯の除去が可能となります。
4.子供の患者さん、怖がりの患者さんにも優しい無理のない治療です
西川歯科クリニックでは、大人の患者さんばかりでなく、必ずしもジッとしていられない子供の患者さんや怖がりの患者さんでも、LEDライト付10倍拡大鏡で見極めながら、虫歯の部分を選択的に除去することで、多くの場合、麻酔なしでもほぼ無痛の治療をしております。
しかし、歯に持続的な痛みがある場合などは拡大視野下でのデリケートな手技による無痛的な麻酔を行うこと、笑気ガス鎮静法を併用することも可能です。
また、ほっぺたや舌との距離を正確に見極めながらの治療が可能(場合によっては粘膜と数百ミクロンの間隔を保ちながら虫歯を除去することがあります)で、不用意に粘膜などを傷つける心配がありません。
5.必要最小限の範囲での治療が可能となります
LEDライト付10倍拡大鏡で確認しながら、虫歯の部分を選択的に除去することで、削る量を減らせます。その結果、型をとって金属を入れることが減り、白い詰め物(CR充填)での治療ですむことが多くなります。
また、親知らずの抜歯、インプラント手術などの外科処置の場合も歯肉切開の範囲や骨の削除量を減らせることで傷の治りが早くなります。
以上のように、マイクロスコープおよびLEDライト付10倍拡大鏡による明視下の精密治療は患者さんにとって数々のよさがあります。
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